貞操権侵害だと思っていたのに不倫慰謝料を請求されたら?

貞操権侵害だと思っていたのに不倫慰謝料を請求されたら?

独身だと信じていた彼氏の奥さんから突然、「不倫の慰謝料を支払ってください」と言われたら…
あなたは彼氏にだまされていただけなのに、「慰謝料を支払わないといけないの?」と不安になりますよね。

なかには、「不倫の慰謝料を請求されたら、貞操権侵害の慰謝料は請求できないの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

そこでこのコラムでは、不倫の慰謝料を請求されたときの対処法に加え、貞操権侵害による慰謝料請求ができるのかを解説します。あなたが取るべき行動を確認し、正しく対応できるよう理解を深めていきましょう。

この記事を読んでわかること

  1. 不倫の慰謝料を支払うべきケースと支払わなくてよいケース
  2. 不倫の慰謝料を請求されたときの対処法
  3. 不倫と貞操権侵害の慰謝料トラブルの解決パターン

不倫の慰謝料を支払うべきケースと支払わなくてよいケース

あなたは、彼氏にだまされ貞操権侵害を受けた被害者です。しかし、事情を知らない相手の奥さんからすれば、あなたは「夫の不倫相手」でしかありません。そのため、不倫の慰謝料を請求されるおそれがあります。

ただし、不倫の慰謝料を請求されても、場合によっては支払う必要はありません。状況によって慰謝料を支払うべきケースと支払わなくてよいケースがありますので、それぞれ見ていきましょう。

慰謝料を支払うべきケース

彼氏に独身だとウソをつかれて交際を始めたものの、途中で彼氏が既婚者だと知り、そのあとも交際を続けていた場合、不倫の慰謝料を支払わなければなりません。
そうならないために、途中で彼氏が既婚者だと気づいたらすぐに別れましょう。

慰謝料を支払わなくてよいケース

たとえば、彼氏から「離婚した」と聞いていて、独身だと信じていたのに実は離婚していなかった場合、不倫の慰謝料を支払う必要がないと判断される可能性があります。
ただし、「既婚者だと知らなかった」という状況が必要です。

「既婚者だと知らなかった」状況とは?

「既婚者だと知らなかった」という具体的な状況は、以下のような場合です。

  • 彼氏に「独身」だと言われていた
  • 彼氏に「離婚した」とウソをつかれていた(婚姻関係破綻) など

これらを信じており、疑わしい事実もなかったケースでは、不倫の慰謝料を支払う必要はないでしょう。

状況によって「既婚者だと気づけたはず」と判断される場合もある

「既婚者だと知らなかった」場合であっても、「既婚者だと気づけたはず」と判断されることもあります。具体的には、以下のような場合です。

  • 彼氏の家に遊びに行ったらベビー用品が置いてあった
  • スマホの待ち受け画面が家族写真だった
  • 薬指に指輪をしていた
  • SNSに彼氏の結婚式の写真がアップされていた など

このような場合、あなたに過失(不注意)があり「既婚者だと気づくことができた」として、不倫の慰謝料を支払わなければならないと判断されることがあるため注意が必要です。

不倫の慰謝料を請求された際にやってはいけないNG行動

彼氏が既婚者だと知らずに交際し、既婚者だと気づく余地もなかったのなら、あなたは悪くありません。ですが、その場合もやってはいけないNG行動があります。具体的には以下のとおりです。

  • 不倫の慰謝料請求を無視・放置する
  • その場で慰謝料の支払いに応じる
  • 相手方と言い争いをする

突然の慰謝料請求に驚いてしまうかもしれませんが、トラブルを避けるためにも、まずは落ち着いて適切に対応しましょう。

不倫の慰謝料を請求されたときの適切な対応

では、彼氏の奥さんから「夫と不倫しましたよね?不倫の慰謝料を支払ってください」と連絡がきたときの具体的な対応を、3ステップで見ていきましょう。

【STEP1】その場で話さずに改めて連絡する

まずは「後日こちらから改めて連絡します」などと告げて電話を切りましょう。

くれぐれも「すみません。支払います」など、その場しのぎで不倫を認めたり、慰謝料を支払うと伝えたりしてはいけません。
これらの発言は、あとで覆すことが難しくなるおそれがあるためです。

【STEP2】弁護士に相談し相手方と交渉をする

次に、今後どのように対応すべきか、弁護士にアドバイスしてもらうとよいでしょう。
無料で相談を受け付けている法律事務所も多いため、まずはご自身の状況を話してみてください。

今後の対応が決まったら、相手方と交渉をしていきます。
ご自身で対応するのが難しい場合は、弁護士に依頼しましょう。あなたに代わり相手方とやり取りし、交渉をしてもらえるので、時間的・精神的な負担も軽減されるはずです。

アディーレでは、不倫の慰謝料を請求された方からのご相談を何度でも無料でお受けしております。お一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。

【STEP3】貞操権侵害の慰謝料請求を検討する

彼氏の行為が貞操権侵害にあたる場合、彼氏に慰謝料請求できる可能性があります。
貞操権侵害として慰謝料請求できる見通しがあるかどうか、弁護士に相談した際に聞いてみるとよいでしょう。

貞操権侵害に当てはまる要件については以下のコラムでも解説していますので、参考にしてみてください。

不倫と貞操権侵害の慰謝料はどうやって決着をつける?

「不倫の慰謝料請求をされたけれど、貞操権侵害で彼氏へ慰謝料請求することもできそう」
そんなときは、どのように解決を目指すのがよいのでしょうか。
パターン別に慰謝料トラブルの解決方法を改めて整理していきましょう。

彼氏が既婚者だと知る余地がなかったケース

彼氏が既婚者だと知る余地もなかったケースでは、「不倫の慰謝料を支払わずに、彼氏に貞操権侵害の慰謝料を請求する」という方法が考えられます。

このケースにおいて、あなたがしたことは「不倫」ではないため、不倫の慰謝料を支払う必要はありません。
反対に、彼に対して貞操権侵害による慰謝料を請求することを検討します。

途中で彼氏が既婚者だと知ることができたケース

たとえば、最初は独身だと信じていた彼氏が既婚者だと知ったものの「夫婦関係が破綻している」と聞き、その後も交際を続けたケースなどでは、「不倫の慰謝料を減額する」または「三者間で和解を目指す」という解決方法が考えられます。

不倫の慰謝料を減額する

このケースにおいても、貞操権侵害の慰謝料請求自体は可能です。ただし、「途中で既婚者だと知ることができた」事実があるため、個別の事情によっては貞操権侵害による慰謝料請求が認められない場合があります。
また、もし貞操権侵害による慰謝料請求が認められたとしても、金額は相場よりも下がる可能性が高いです。

そのため、不倫の慰謝料を減額してもらうよう交渉する解決方法が考えられます。「夫婦関係は破綻していると聞いていた」などの主張により、不倫の慰謝料を減額できる可能性があります。

三者間で和解を目指す

このケースにおいて、貞操権侵害による慰謝料請求が認められる場合は、「彼氏の奥さん・彼氏・あなたの三者間で、お互いの慰謝料請求を双方0円で和解を目指す」などの解決方法も考えられます。
三者間で協議し、落としどころを探っていきましょう。

まとめ

独身だと信じていた彼氏の奥さんから不倫の慰謝料請求をされてしまったら、状況に応じて適切に対応する必要があります。
慰謝料を支払わなくてよいケースもあるため、その場で「支払います」と慰謝料請求に応じたりせず、改めて連絡するようにしましょう。

また、彼氏の行為が貞操権侵害にあたると認められる場合、あなたから彼氏に対して慰謝料請求ができる可能性もあります。
請求された不倫慰謝料への対応と併せて検討する必要がありますが、状況によって適切な解決方法が異なるため、弁護士に相談するのがおすすめです。

アディーレでは、貞操権侵害の慰謝料請求や不倫の慰謝料減額・免除に関するご相談を無料で承っております。慰謝料トラブルがこじれる前に、まずは一度ご相談ください。

監修者情報

池田 貴之

弁護士

池田 貴之

いけだ たかゆき

資格
弁護士
所属
第一東京弁護士会
出身大学
法政大学法学部、学習院大学法科大学院

アディーレ法律事務所は、慰謝料問題に精通した専属チームがあり、一人のお客さまをチーム全員で担当しているため、スムーズかつ最適なご対応ができます。また、全国に65拠点以上を構え、最寄りの支店へのご来所、もしくはお電話にてご相談いただけます。お電話は朝9時から夜10時まで、事務所は土日祝日も含めて営業しておりますので、お客さまのご都合に合わせた相談が可能です。今後も、お客さまの味方であり続けます。あなたの町のアディーレに、何でも相談してみてください。

※2023年7月時点。拠点数は、弁護士法人AdIre法律事務所と弁護士法人アディーレ法律事務所の合計です。

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